DIABETES

糖尿病

肩を寄せ合う家族の画像

食事の回数や時間、通勤環境、運動週間、嗜好品(たばこ・お酒・間食)などを会話の中で伺いながら、ライフスタイルに合わせた無理のない治療方針を探していきます。

患者様に、耳をしっかり傾け
無理のない糖尿病治療へ

糖尿病とは?

さまざまな合併症を引き起こす病気です。

糖尿病は、膵臓で作られるインスリンというホルモンの作用不足が原因で、血糖値の上昇を抑える働き(耐糖能)が低下して、接s種した食物エネルギーを正常に代謝できなくなり、高血糖が慢性的に続く病気です。高血糖が続くことにより、様々な合併症が生じます。残念ながら、現時点では糖尿病を「治す」事はできないので、合併症を予防するために、血糖を糖尿病でない人に近づけるのが治療です。

手足のイラスト

糖尿病の自覚症状

  • 口渇

  • 疲労感

  • 乾燥

  • 多飲

  • 体重減少

  • 感染症にかかりやすい(易感染症)

  • 多尿

  • 手足の痺れ

  • 傷の治りが遅い(治癒遅延)

  • 頻尿

  • 疼痛

  • 性機能障害(ED)

  • 倦怠感

糖尿病の分類

糖尿病には大きく分けて次の1型・2型 2つのタイプがあります。
糖尿病には、インスリンを分泌する膵臓が障害されて、インスリンが出なくなる1型糖尿病と、食べすぎや運動不足、肥満、加齢によりインスリン抵抗性、インスリン分泌とも関係して血糖が上昇する2型糖尿病があります。
また膵臓癌などの悪性腫瘍や、甲状腺ホルモン異常などの内分泌疾患により糖尿病を発症することもあります。
そのため、どのタイプの糖尿病かを検査し、治療を進めていく必要があります。全く違う病気ですが、医師ができる事よりも患者本人がする事が重要な点は一緒です。

1型糖尿病

1型糖尿病の説明イラスト

1型糖尿病は、膵臓でインスリンを作るβ細胞が免疫的に攻撃されて、インスリンを作ることができなくなっていく病気で、生きていくためにインスリン注射が必要です。
日本では、1型糖尿病に使用可能な経口薬は僅かしかありません。
糖尿病の患者さんのうち、1型糖尿病は10人にひとりもいません。若い方の糖尿病では1型糖尿病というイメージが強いですが、年齢に関係なく発症が見られます。
また、ゆっくり進展する1型糖尿病もあり2型糖尿病と見分けがつきにくい事もあります。

2型糖尿病

2型糖尿病はもっとも一般的な糖尿病で、10人に9人以上はこのタイプです。2型糖尿病になる要因はさまざまで、食生活などの環境因子と体質の組み合わせで起こると考えられています。2型糖尿病の治療の基本は適切な食事と運動で、これらを続けながら不十分であれば薬やインスリンによって血糖を下げる必要があります。

1型糖尿病の説明イラスト

    2型糖尿病になる人の特徴

  • 接種エネルギーが多い(食べ過ぎ)

  • 体重が重い(肥満)

  • 運動不足

  • 家族に糖尿病の患者がいる

  • 40歳以上(加齢・老化)

治療の基本

治療の概念図イラスト

糖尿病治療についてよくあるご質問

  • Q

    なぜ糖尿病になるのでしょうか?

    A

    糖尿病は、自前のインスリンだけでは摂取した糖質の処理ができなくなった状態です。
    肥満・暴飲暴食・ストレス・加齢・運動不足・妊娠等インスリンの効きが悪くなることが原因になる場合(2型糖尿病)と、インスリンそのものが分泌できなくなってくる場合(1型糖尿病)とがあります。
    高血糖が続くことにより、一番ダメージを受けるのは全身の血管です。

  • Q

    糖尿病は治りますか?

    A

    現時点では治りません。肺炎のように、薬で治療すれば元の状態に戻る病気とは違います。
    現時点ではインスリン分泌の不完全な状態を元に戻すことはできませんが、iPS細胞など技術の進化で治る病気になる可能性は十分にあります。それまでは、食事と運動に気を付け、薬やインスリン注射の助けを借りれば健康な人と同じように日常生活を送ることができるので、夢をみながら節制してもらうしかありません。

  • Q

    なぜ食事療法が必要なのですか?

    A

    糖尿病はインスリンの分泌や作用不全のため、処理できる糖質の上限が低い状態です。そのため、必要以上に食事(糖質)をとると、その分血糖を上昇させてしまいます。 したがって、食事(糖質)を必要最小限に抑え、インスリンの需要量を減らすことが、血糖を上げないことにつながります。

  • Q

    合併症が生じたらもう治らないのですか?

    A

    糖尿病は一生つきあっていく全身の病気なのですが、なかなか自覚症状がないので血糖コントロールや定期検査を怠っていると、合併症に気づかないことがあります。合併症の多くは、早期は全く自覚症状がありません。 しかし、早期であれば血糖だけでなくコレステロール・血圧・体重のコントロールで改善(寛解)も可能ですが、晩期になるとそれは難しくなります。

  • Q

    インスリン注射は、一度始めると一生続けなくてはならない?

    A

    インスリンは膵臓から分泌される、血糖を下げる唯一のホルモンです。 それまで薬で血糖が下がっていたのに、効かなくなったのでインスリン注射に切り替えを勧められる2型糖尿病の場合、高血糖の持続によって一時的に膵臓が疲労していることが多く、早く注射でインスリンを補う事で膵臓の疲労が回復します。つまり、インスリン注射を中止できる可能性は、早くから注射を始めるほどその可能性が高くなります。ただし、1型糖尿病ではインスリン注射は生きるために必須です。

  • Q

    HbA1cとは何ですか?

    A

    赤血球に含まれる血色素(ヘモグロビン)と血液中のブドウ糖が結びついてHbA1cができます。血糖値が高ければ高いほど、HbA1cも高くなります。通常の血糖検査と異なり、食事や運動の影響を受けず、採血時から1~2ヶ月間の全体の 血糖コントロール状態を反映します。よく言われる「血糖の平均」ではありません。 合併症を防止できる目安として、一般にはHbA1c:6.5%未満が望まれます。

  • Q

    食事・運動療法を行っても薬は必要?

    A

    食事・運動療法で血糖がコントロールされれば薬は不要です。 しかし、それだけでは十分でない場合に、薬やインスリン注射の力を借りる必要があります。

  • Q

    低血糖とは?

    A

    血糖が下がりすぎた状態で、一般的に血糖が70を下回る事を言います。 手足のふるえ、落ち着かない、冷や汗、動悸、空腹感、めまい、話しにくい、混乱、集中できないなどの症状が起こります。ひどくなると、けいれんを起こしたり、意識を失う(昏睡)こともあります。

  • Q

    低血糖になったらどう対処すれば良い?

    A

    低血糖症状が起きたら、ブドウ糖(5-10g)またはブドウ糖を含む清涼飲料水(150-200ml)、砂糖(10-20g)を摂取したり、低血糖対策用の食べ物(ビスケットや飴玉など)をとると症状は回復します。 常にこれらの糖分を携行する必要がありますし、低血糖の症状を疑ったら、まだ大丈夫と思わずにどんな場面でもすぐに対処しましょう。特に、車の運転中は車を停めてすぐ対処しましょう。ただし、本当に低血糖なのか、確認することも必要です。

  • Q

    朝は食欲がありません。1日2食ではいけませんか?

             A

    朝食を抜くと1回の量が増え血糖値を不安定にする原因となることもありますが、元々2食の習慣がある人は必ずしも3食にする必要はないと思います。うまくいかない時の選択肢の一つ程度に思って下さい。

  • Q

    昼は外食が多いので、どうすれば良い?

             A

    なるべく一品料理(麺類や丼もの)ではなく定食にしましょう。一品料理を選ぶ場合、ご飯を減らしたりタンパク質も一緒に取れるメニューを選ぶ工夫が必要です。揚げ物は高カロリーなので、量に気をつけましょう。野菜サラダなどのドレッシング類は、食べるときによけたりする等の工夫をしましょう。

  • Q

    アルコールは飲んでも良い?

    A

    アルコールは食欲を亢進させ、食事療法を乱す大きな原因になるので、できるなら禁酒が良いのですが、個々の嗜好があり難しい問題です。 アルコールにもエネルギーはありますが、糖質・蛋白・脂肪などの栄養素とはまったく異なり、他の食品と交換できないので注意が必要です。 また、大量に飲むと逆に低血糖を起こすこともあり、糖尿病の飲み薬を服用している場合は特に危険です。普通は一日の食事量を減らさないでアルコールを加えるので、ふだんから血糖コントロールが良好に保たれていない限り、アルコールは控えた方が無難です。

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